草っぱら・幻想
今の在所は山の中なので、もともと、「ふぅっと気の遠くなるような」広い草っぱらなど、望むべくもないのだが、それでも、年々、空き地が少なくなって行くのは、田舎育ちの身としては悲しい。
お嬢が小学校に入った年までは土筆が摘めていたあの場所も、今ではすっかり住宅地。それでも、きりん草が道端でがんばって咲いているけれど。(きりん草にはアレルギーがあって天敵なのだが、お決まりのくしゃみ鼻水も季節の風物詩。)
田んぼもないので、あの黄金の波を堪能することもできやしない。
春のれんげや白詰草、夏の草の生い茂る、秋の曼珠沙華、冬枯れの草。風が渡って行くあの風景を思い出す。たぶん、お嬢たちは「狐が出るかも…」と思ったりはしないのかなぁと思って、少し、涙ぐんだ。
おそらく、きっと、たぶん、感傷的になっているだけ。
※ 出るのは人の鬼ばかり。